拾番の梅雨と夏の話

この鬱陶しい時期が終わればもうすぐ夏が来る、暑い、暑い夏が。まったく、この国の夏といったら厭になるほど蒸し暑い、汗をかくのは嫌いなのにさ。

幼い頃この時期は祖母の家で過ごした。この国とは違って、あちらはもうすでに夏が来ているだろう。気温が高くても湿度の低い夏。波に足を洗われながら海辺で裸足でボールを蹴った、懐かしい思い出。この身体に流れる血の半分、それが知っている。あのぬけるように青い、美しい空を。

かといって、このまとわりつくような暑さと続く雨だって口で言うほど嫌いじゃないのさ。ドーム式のスタジアムの緑のフィールドで、美しく弧を描くパスを自分の想い通りの場所にぴたりと蹴り込んで、ボクの犬がそれを上手にゴールに放り込むような、そんな日は特にね。