弐拾番と玖番の梅雨の朝方の話

雨ですよ堺サン、窓のカーテンを少し持ち上げてまだ薄暗い外を見ながら話しかける。ああ、っていう掠れた声の気のない返事のあと、寝返りの音がした。後は雨の音だけ。しとしと。今日はざあざあじゃない。細い雨。

水持ってきましょうか、聞いてみたらたのむ、と背中ごしにちいさく聞こえた。いまだにこの、終わったあとの時間、堺サンは俺と目を合わせてくれない。

最初はそれがやっぱりこんなのヤなのに我慢してんのかな、とか思ったけど、たぶん違うんだってことが何となくわかって、でもそうじゃなくても結構フクザツっぽい何かはあるってのもわかっちゃうわけで、そういういろいろを抱きしめたまんま、それでも俺を受け入れてくれてる堺サンは、なんていうか、やっぱりすっごく堺サンで、俺はそのフクザツな堺サンが、超単純に、大好きだ。