伍番と捌番の梅雨の朝方の話

窓を叩く雨の音で目が覚めた。あれ、なんで俺ここにいるんだっけ。俺の家のじゃない天井。でも結構よく見る天井。そうだった、堀田家の天井だった。思い出した。思い出したけどなんでここにいるんだっけ。

ああうん、昨日の晩は飲み過ぎたんだった。家に帰れなくなったから堀田くんにお持ち帰りをお願いしたんだった。そうだそうだ。まだちょっと眠いけど、欠伸しながら身体を起こして、あたりを見回したけど堀田くんはいない。俺が寝かされてたのはいつものリビングのソファだ。

時計を見たらまだ朝の6時前だった。酒飲み過ぎると変な時間に目が覚める。堀田くんはたぶん寝室のベッドで寝てるんだろう、入ったことないけど。酒の残る頭はなんとなくもやもやする。キッチンで水でも飲んでもう一回寝よう。よたよた歩いて蛇口を捻って、キッチン脇の小さな窓の外を見る。雨だよ堀田くん。ぜんぜん家に帰りたくない気分だ。そう言ったら困った顔するだろうな。ちょっと見てみたい気もする。コップで飲んだ水がこぼれて、シャツが濡れた。本当に帰りたくない気分だよ堀田くん。とりあえずはおやすみ。