★ 赤崎遼の8月10日

 今日が一年で一番空から星が落ちる夜、なんて話を、少し前に聞いた。だからかもしれない。会場を去るとき、空を見上げてみた。目を射す強烈なスタジアムのライト。空の星なんかひとつも見えない。

 けど、それでいい。こうやってライトで白んでる空が、俺のものなら。空から落ちてくる星に願いなんか叶えてもらわなくても、俺は今ここにいるし、この先だってそうやっていく。ロッカールームで脱いだ青と白のユニフォーム。俺が着るのは当たり前だと思ってる。今も、この先も、ずっと。

 ……それでも、嬉しくないわけじゃ、なかった。

 試合開始のホイッスルのあと、足の下の芝の感触を確かめながら、一歩一歩踏み出したフィールドをきっと忘れない。やるべきことはやった。結果は勝手についてきた。スウッとほどけていく緊張の糸。俺には流れ星なんていらない。でも、このユニフォームの胸に星ひとつ、輝く日を信じている。