★ 石神サンと丹波サンの8月10日

 お、流れ星、なんて丹サンが言ったから、俺もつられて空を見る。残念ながらもう流れたあとだった。願い事って3回言うんだっけ? 多分そーじゃない、けど3回も絶対言えないよ、流れ終わるまでに。そんなどうでもいい話して、そのまま空見ながら歩く。ほろ酔いだから歩いてて気持ちいい、暑いのは暑いけど。

 あれ、また流れたよな今。丹サンが言う。今度は俺も見てた。ひょっとして何とか流星群って今日かな、言うと丹サンが、ああそうかも、ペルセウス座だっけ、と返してきた。ぺるせうす座。どこにあんだろ、ぺるせうす座。全然わかんねえ。

 赤崎頑張ってたなあ、丹サンは空を見たまま呟く。うん、俺も空を見たまま返す。オリンピックはもう出られねえな、俺たち。うん。でもまだまだ、いろいろやれることあるよな。うん。丹サンの言葉に相づちを打つ。丹サンもちょっと酒入ってるからか、何となくセンチだ。そういう夜もある。そんなもんだ。

「あ、また流れた」

 指差したそのときにはもう消えてたそれに、丹サンは多分なんか願い事をしてた。3回言えた? ってきいたら、やっぱり駄目だった、って笑った。いい笑顔だった。